ある日のゆうちょ銀行の窓口での風景

なんとなくこういう光景を思い出した
某金融機関(ゆうちょ銀行)での光景

一人の若い男性が窓口職員(50代女性)
からの説明を受けていた
どうやら親が亡くなり相続の
手続きについて説明を受けている様子
と、突然、その男性が声を荒げた

「なぜ、510円を現金で払えないんですか?
   510円を引き落としするためにわざわざ通帳作れっていうんですか?」

どうやら、こういういきさつらしい。

預貯金の相続手続きを行う場合
遺産分割協議を行うために
相続発生時(死亡日)の
残高証明書を取得する
正確な相続財産の把握のため

ゆうちょ銀行では
残高証明書取得のためには
口座の有無についての照会を
貯金センターに行って
口座の存在と取扱番号を確認し
その後再度残高証明書の
請求発行という手順になる

そうした前提のもとで
窓口職員の方は次のように説明

「口座の有無の確認と残高証明書の発行を同時に行う場合は
   手数料の510円は請求人のゆうちょ口座からの引き落としのみとなります」

「現金での取り扱いはしておりません」

「そういうことになっているので通帳をもっていない場合は対応できません」

「そういうきまりなので出来ないものは出来ません」

で、男性は最後は次のように声をあらげた

「自分は通帳をもってないから510円を窓口で現金で
    払うって言ってるんですよ510円の支払いが現金ではだめなんですか?」

しかし窓口職員の方は

「そういうことになっているから出来ません」

の一点張りでやりとりは平行線

場を察したのか上司と思しき別の職員の方が出てきて次のように説明した

「申し訳ありません、ゆうちょ銀行では取引内容の
   機密保持を徹底させるという趣旨と日本全国どこの窓口でも
 対応できるようになっていることから相続関係については貯金センターで
 一括して扱うようになっております」

「そこで相続における情報照会は口座の有無について照会を
 貯金センターに行い口座の存在と取扱番号を確認してから
 再度残高証明書の請求発行という2段階の手順を踏んで
 いただくことが原則となっております」

「ただ、請求人の方がゆうちょ銀行口座を持っている場合にだけ
 例外的に手数料510円を引き落としさせて頂くことを条件に
 2段階の手順を一括にできるようにしております」

「実際、情報照会をしてみたらお亡くなりになられた方の口座は
 存在しなかったという事例が多いという現状からも
 手順としては合理的なものとなっていますのでなにとぞご理解ください」

言い回しは正確でないところもありますが趣旨としてはこのような感じ

結局男性はそういうことですかと言って納得して手続きを続けた

最初の窓口職員の方とあとから説明した上司説明の何が違うのでしょうか?

どうして、そういうことになっているのか?
ここで私は、ゆうちょ銀行のシステムについて説明したいわけではありません

最初の職員の方はなぜそのような取扱いになっているのかの説明もなく
ただ、そういう決まりだから出来ないものは出来ないという説明に終始

対して、上司はどういう事情からそのような取扱いになっているのかを
分かりやすく説明

物事を納得してもらうためにはなぜこうしたいのか
どのような理由からそうなっているのか

そのことがとても重要である

ということのわかりやすい事例でした