おはようございます
マジで早い、今週もやってきた金曜日の朝です
昨日は午前中は事務所で作業で来客1件対応
午後からはクライアント先3件訪問したのち
夕方事務所に戻って書類作成と来客1件対応
さて、たま触れます業務関連の話題
昨日も遺言作成絡みの相談が何件かありました
遺言を書くか書かないかは本来は自由なんですが
私は敢えて相談者には遺言はなるべくならば
書くべきだとお話はさせて頂いています
まあその辺のお話は別の機会ということで
私が遺言というものを初めて知ったのは
小学生の時にみた「犬神家の一族」でした(笑)
よく私は遺言や相続の話をするときには
「犬神家の一族」か「渡る世間は鬼ばかり」
を例に使わせていただくのですがそのひとつ
「犬神家の一族」は言わずと知れた
名探偵金田一耕助が難事件を解決するシリーズ
映画やドラマで何度も映像化されている作品
もう何度も観ているので
私はほぼ内容を暗唱できるレベルかも(笑)
犬神佐兵衛翁は戦前戦中に犬神製薬を創業
時流に乗り事業は大成功して
莫大な富を築くこととなりましたが
その遺言の内容を発端として
数々の事件が始まるという内容
特に犬神左清の仮面をつけた姿や
湖で逆さまで足だけ出てるシーンなど
今でもたまにネタで使われるほど(笑)
あの作品の中に出てくる序盤の名シーンは
親族が集まった中での遺言を公表する場面で
犬神家の顧問弁護士である古舘弁護士が
この遺言は法的に有効なものと言ってますが
あの遺言はホントに有効なのか?
とこの仕事を初めてから気になっていたので
以前に一度映像化されているものを
見比べてみたことがあります(笑)
映画で2本、テレビドラマで4本
遺言の専門家の立場からすると
遺言の内容も有効性は正直かなり疑わしい(笑)
基本的なところでまず疑問に当たります
あの遺言書は家庭裁判所の検認を経ずに
古舘弁護士が勝手に開封をしています
犬神佐兵衛翁の法定相続人は
松子、梅子、竹子の3人の娘と
女工であった青沼菊乃の子青沼静馬
ただ、全て非嫡出子なんですが
一応全て認知しているものと想定
今回の改正前であれば自筆証書遺言であれば
財産目録を含めて本人の自筆であることと
日付と本人の署名押印をした後に
ちきんと封をしなければなりません
その上で相続人が立会いのもとで
家庭裁判所の検認の手続きが必要
あの流れをみると検認を行っている様子はなく
遺言だけだと実務上手続きは出来ないから
改めて遺産分割協議書をつくって
相続人全員の署名押印が必要かも、、
もしこの手続きがない場合は
不動産の所有権移転や
金融機関での解約等が
出来ないことになっています
遺言が公正証書で作られている場合は
家庭裁判所の検認は必要ないのですが
映像を見る限り公正証書遺言の
設えはないようなので、やはりあれは
自筆証書遺言なんだろうと推察
当然、今回の法改正前の遺言だから
自筆証書遺言の保管制度も使ってないはず
結局、犬神家ではあの遺言がきっかけで
相続人の間でトラブルに発展しました
ドラマのその後の展開から考えると
犬神佐兵衛翁はわざとトラブルにしようと
あのような遺言にした感もありますが
やはり身内で争うのはいやですよね
相続でトラブルにならないようにするには
理想的な家族の未来をイメージして
ただしい方法で遺言をつくる
自分の抱いている思いを伝える
理想の未来実現の為のきちんとした道筋を描く
こうしたことが
家族を幸せにする相続の準備であって
私が遺言は書くべきだとする理由のひとつ
犬神家の遺言はちょっと変化球ですけど
現代の私達に遺言のあるべき姿を
反面教師として示してくれているのかも
という訳で
今日も一日頑張っていきましょう
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